浅葱色の約束。
近藤さんや沖田さんはこういうふうにたくさん褒めてくれたけど、土方さんからされたことは滅多にない。
嬉しさと恥ずかしさ、それでいて心臓は飛び出しそうだ。
それでもこういうのは慣れている。
「へへん」と笑った私に、彼は少し悪戯に唇の端を上げた。
「…ほう」
グイッ───!
「わっ!」
強い力で引き寄せられ、ポスンとその胸に閉じ込められる。
これは全くもって想像していなかった。
土方さんが私を抱き締めるとき、それはいつも何かあったときなのだ。
辛いことや哀しいことを慰めてくれるかのように優しく包んでくれる。
でも今日は特にそういう出来事は無かった。
なにも無いのにそういうことをする。
『…ずっと、……こうしたかった…』
そう言って私を抱き締めた沖田さんを思い出した。
もしかして土方さんも…?
「“ずっと、こうしたかった”…?」
ピクッ───、土方さんのこめかみが動いた。
あ、これはたぶん怒ってらっしゃる…
「くだらねえこと言ってんな」と言われるオチだ。
「ご、ごめんなさい…冗談です…、沖田さんが、」
「総司がどうした」
「…そう言ってたので……同じなのかなぁと思って…」
「…てめえはこういう状況で他の野郎の話するたぁ中々いい度胸してんじゃねえか」