浅葱色の約束。




「───“俺の、家族になってください”って…」


「───…」


「…土方さん寝ちゃった…?」



眠る綺麗な人をじっと見つめる。

ポタポタと、その白い肌に涙が落ちた。


まるでこれじゃあ土方さんが泣いてるみたいだ。



「あのね、土方さん……、私ね、土方さんのことが……ううん、なんでもないよ」



伝えることなんか出来ない。

今、こうして一緒に居られるだけで十分だ。


この人は手を離さないで居てくれる。
この人がずっと繋いでいてくれさえすれば。


それ以上望むものなんてないから。



「私…、結婚なんか出来なくていいから…、家族も要らないから……、土方さんとずっと一緒に居たい…離れたくない……っ」



あのね、さっきのプロポーズの言葉、一人称を「俺」にしたのはわざとだよ。

でもたぶん、伝わっていないんだろうな。



「…おやすみ土方さん」



ゆっくり瞼を閉じた。

背中に当てられた震える手の力が強まったのは、きっと気のせいだろう───。



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