浅葱色の約束。
───そして数日経ったその日。
土方さんは私にあるお使いを頼んだ。
とても天気のいい日だった。
昨日まで雪だったのに、どうしてかその日だけ快晴。
まるでこの日をずっと待っていたかのように。
「その呉服屋の主人に名前を言えばいい」
「うん、それで後はその人の案内について行けばいいんだね」
「…あぁ。気ぃつけて行けよ」
少し遠い場所だけど、船を使って上手く馬車も使えさえすれば3時間程で辿り着けそう。
今日は快晴だし、帰りに何かお土産でも買って来ようかな。
「海鮮とかどう?私、海老好きなの」
「…いいんじゃねえか」
「土方さんは何がいい?」
土方さんのことだから沢庵を買ってくれば喜びそうだけど。
沢庵ならどこでも手に入ってしまう。
土方さんはいつもこの時間、机に向かって書類とにらめっこしたり会議に出席するのに。
その日は私が準備するのをずっと見つめていた。
「…俺もお前と同じものでいい」
それでたまに優しい顔をして微笑んでくれるから調子が狂う。