浅葱色の約束。
「なぁ行こうぜみんなで」
「俺は止めとくわ。人混み嫌いだし」
「俺も夕方は巡察入ってんだよ」
「はー?ノリ悪ぃな2人共…」
朝から元気なのはお前だけだ───。
そうツッコまれながらも、気にしていない様子で藤堂 平助は朝食の味噌汁を一気にかき込んだ。
食事は馴染みの幹部は幹部だけで集まって食べる。
そこに私も一緒にちょこんと座っていた。
「梓、米のおかわりあるぞ」
「…ううん、もう大丈夫。ありがとう近藤さん」
「食え。2杯は食う約束だろうが」
最初は近藤さんの後ろに隠れてばかり居たけれど、少しずつ慣れて来ていたこの頃。
他の隊士達は広い部屋で集まって食べ、そんな食事を用意するのは女中として雇っている数人と賄(まかな)い人と呼ばれる人達だった。
女の人も一応居るんだ、と思ったが特に関わりは無かった。
「夏バテだろうが男なら食っとけ」
そう言われてしまうと断れない。
こうして必ず毎日2杯はご飯を食べさせてくる土方さん。
「あ、そうだ梓!オレと一緒に行かね?」
何に…?
話を振られて藤堂さんを見つめる。
「町で有名な夏祭りが今日あるんだってさ」
説明したのは沖田 総司だった。