浅葱色の約束。
「…行って来い」
『俺についてこれるか』
『俺と共に来い』
今までと違ったのは、彼から私の手を初めて離したこと。
少し心に違和感はあったけど、それでも外の青さに負けてしまって。
彼の、土方さんの誰よりも不器用な守り方を何ひとつ理解していなくて。
「梓、」
ドアが閉じる瞬間、振り返った私は土方 歳三の最後の顔を見る。
「───…幸せになれ。」
そう呟いたその人を。
そこで戻っていたならば、きっと私は彼の傍に今でも居たのに。
どうして気持ちを伝えられなかったのだろう。
どうして気づいたときにはいつも遅いんだろう。
それだけが心残りとなって。
私は、あなたの姿を今日のこの日以来、
見ることは無かった───…。