浅葱色の約束。




「わぁ…!」


「ここは私が昔使っていた古民家でね。今は使っていなかったから丁度良かったよ」



しっかりとした平屋の古民家。

日当たりも良いし、中庭にある池は新撰組の屯所を思い出させた。


勝手場、囲炉裏のある居間、客間が2つ。

落ち着く桧の匂いに包まれた清潔感のある、広くて素敵なお家だ。


それこそ、そんな場所に連れて来られたことだけが不思議なくらいに。



「ここは自然が栄えているからねぇ。山菜も採り放題だよ」


「すごい…」


「寒い土地だから夜は星も綺麗だ。それに周りにいい人がたくさんいるからね、1人だとしても寂しくないよ」


「いいなぁ、…こんなところに住んでみたいな」



部屋の紹介を一通り終えたところで、主人は私の呟きに目をぱちくりとさせた。

そして「なにを言っているんだい」と、笑い出す。



「今日からここが君の家なのに」


「……え…?」


「土方さんから頼まれてね。若くて物知らずな女の子だから安全だけは守ってやってほしいって」



なにを、言っているの…?



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