浅葱色の約束。




言葉足らずな私を助けるのはいつもこの人だった。


お祭り…。

そういえば1度も行ったことがなかった。

いつも遠くで聞こえる花火の音を微かに聞いていた程度で。



「屋台もすげー出て、花火も上がるぜ?」


「屋台には何があるの…?」


「お前知らねーの!?イカ焼きとかりんご飴とか焼き鳥とか!べっこう飴だってあるし、射的や金魚すくいだって!」



お祭り…。

少し行ってみたいかも…。



「でも平助と2人なんて子供同士でお使いに行くようなものじゃないかなぁ」


「なに言ってんだよ!これでもオレ一応元服してるし!」


「一応なんだ」



沖田さんの笑い声が朝食を包んだ。

どうにも近藤さんは今日は用があるらしく、うーんと悩んでいて。



「さすがに心配ですよね平助と2人は」


「…そうだなぁ。しかし俺は今日片付けねばならん仕事があってな」



すると近藤さんは、なにかを思い付いたように2人の青年へと。



「総司もついて行ってやってくれないか?それか斎藤(さいとう)君か」


「すみません局長…。俺はあまりそういうものが得意では無く…」


「そ、そうか…それは仕方がないな」



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