浅葱色の約束。




「死にてえ奴だけ俺について来いッ!!!」



ダァン───!!ドォォン───!!

パァン───ッ!!


遠距離戦が出来るほど、敵との距離はそう遠くはなかった。

大砲は近すぎて使えない。

手持ちの火縄銃を持つ敵陣へ真っ先に斬り込む俺にはもう、死に急ぐような恐怖など微塵も無かった。


生きたいなら逃げろ、死んでもいい覚悟があるなら俺に続け。


そんな乱暴な指揮を最後に下した俺は、指揮官としては大いに失格なんだろう。

それでも悔いなどなかった。

先日読んだ手紙は、今も俺のコートの懐に入っている。



『私はいつからかそんなあなたの隣を歩くことを密かに願っていました』



俺と共に走りたかったんだろう、俺の隣を歩きたかったんだろう。

姿は無くとも思いはここにある。


お前が願うこと全て叶えてやれるほど、俺は大した器を持ってねえんだ。

だからこそ、最後は格好つけちまった。
最低なやり方だと思う。


それでも俺は、てめえだけは守り通すと誓ったんだ。



「土方さん…!!前方から敵が…!!」


「止まってんじゃねえ…ッ!!走り続けろ!!武士なら最後まで武士らしく生きろってんだ……!!」


「はっ…、はい!!」



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