浅葱色の約束。
俺もよ、
てめえに言ってやれば良かった、ああすれば良かった。
そう思うことが山ほどあるんだ。
お前の扱い方は今でもどうしてやったらいいか本当は分かってない。
俺個人の気持ちだけで振り回していいならば、俺は今でもお前を傍に置いていただろう。
行くな。
必ずここにいろ、俺の傍に居ろ───。
そう言って一緒に死ぬことを選んでたんじゃねえかと思う。
もっと抱き締めてやりたかったとか、お前の気持ちをゆっくり聞いてやりたかったとか。
俺だってお前に伝えたかったことが。
たくさん、あんだよ本当は。
でもてめえはあり得ないくらいに綺麗だからよ、血に汚れた俺なんかが触れていい女じゃねえと思った。
『ばーか。…しねえよ、なんも』
だからいつも曖昧なまま誤魔化して逃げてた。
それでもそんな俺をお前は最初から分かってたように『綺麗』なんざ言いやがる。
勝てねえよ、お前には。
俺の人生で勝てない女は2人に増えやがった。
1人は、俺の姉貴。
そしてもう1人はお前だよ、時折 梓。