浅葱色の約束。
「土方さん……っ!!!」
目の前の銃口は、真っ直ぐに俺を捉える。
怯むな、進め。
もう勝敗は考えない、そうだろ?
ここが俺の死に場所なんだ。
引き金を引く男の目を鋭く見つめる。
一瞬びくついたその男は、狂ったように叫びながら引き金に力を加えた。
「───…、」
───梓、
お前があんなにも人を泣かせやがる手紙が書けるなんて俺ぁ思ってなかったぞ。
あんなモン全部が殺し文句じゃねえか。
ろくに恋愛もさせてやれねえで、やっと普通に生きさせてやれたかと思えば。
『ふふっ。…でも実際は真逆だった』
こんなどうしようもねえ馬鹿な男を好きになりやがる。
お前は本当に───…可哀想なくらいに綺麗だよ。
てめえは俺のことをずっと想って死んでくことだけは絶対やめろよ。
いつか忘れてくれていい。
それくらい愛してくれる男と幸せになりゃ、それでいいんだ。
そんなこと言ってる俺が、てめえのことをずっと想って死んでく羽目になりそうだがな。
「農民の俺達が武士になったくらい、世の中なにがあるか分かりゃしねえ。
女想って死んでく鬼っつうのも悪かねえだろう」
梓…、てめえだけは守ってやりたかった。
それはよ、こんな形になっちまったけど。
本当は……、お前も言ってたようにずっと一緒に居たかったんだ俺だって。
「土方さん…!!駄目です……っ!!」
「指揮官…!!俺はあなたには死んで欲しくありません……!!」