浅葱色の約束。




来い、俺はもう死ぬのなんか怖かねえ。

守るモンは守った。
あいつの中に俺はずっと生き続ける。


共に蝦夷の地で戦を駆け抜けた愛馬の上、刀を抜く。




「新撰組副長、土方 歳三。───参る」




これから世の中はどうなっていくんだろうな。

俺はいつからかそんなものをお前と見れりゃあ、そんな幸せはきっといいモンなんだろうと思っていた。


笑ってくれ近藤さん、総司。

後悔があるとするなら、今はもうそれしかねえわ。



「う、うわあああ……!!」


「どうした、今更怖じ気付いてんじゃねえ。来ねえなら俺から行くぜ…ッ!!」



梓、お前に出会えてよかった。


色々我慢ばかりさせちまって悪かった。


いいか、てめえは俺みたいな男を選べ。

そいつは必ずてめえを幸せにしてくれる。



『土方さんは最初は怖かったけどね、…でも誰よりも優しい人だってこと。それは私が一番に知ってるよ』




「…ありがとう、───…梓。」




涙が一筋、頬を伝った───…。



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