浅葱色の約束。
───なんとか五稜郭は守りきり、その日の戦も終わりを迎えた。
まさか生き残っちまうたぁ、誰が望んだんだ。
俺か?お前か?あるいは両方か。
でも、最期の最後で俺はてめえに助けられたみたいだ。
「土方君」
駆け付けた大鳥さんは、怪我人だらけの拠点の真ん中で俺の前に1つの封を差し出した。
あえて周りの兵士達にも聞こえるように、この男にしては大きな声だった。
「君に、…この軍からの離脱を命ずる」
ざわめく兵士達。
なんとか新政府軍から撒いたのに何故だ、と口を揃えて何人もの部下達は言うが。
それでも大鳥 圭介は耳にも入っていない様子で真っ直ぐに俺を見つめる。
「君の戦い方は荒すぎると前から批判があったんだ。…これは命令だ、土方君」
総司もそうだったが、嘘が下手すぎるのだ。
こういう人種は皆そうなのか?と疑う程。
「…いずれこの軍はもう降伏するだろう。
土方君。───僕の中の君を、1人の女を選んだ誠の武士として終わらせてはくれないか」
耳元で静かに笑った大鳥さんは、俺の掌にずっと探していた青い玉を握らせた。