浅葱色の約束。




そんな純粋無垢な質問が可愛くて笑ってしまう。


そうだよ土方さん。

ずっとずっと待ってるんだよ。



「今はまだ、ね。でもいつかその人は必ず迎えに来てくれるんじゃないかなって…、私は思ってる」


「人…?お姉ちゃん鬼さんのことを人って言うの?変なのー!」



変……変だって、土方さん。

逆にそれは彼に直接言ったらどうなるのかな。



『俺が鬼だけど文句あんのか』



なんて言ったりして。

そんなあなたを隣で見てみたかった。



「梓ちゃん!今日はかなり旬な魚が採れたんだ!」


「でも1人で食べきれるか分からなくて…」


「大丈夫まだ若いんだから!おまけしとくから買って行きな!」



そう言っておじさん、前もたくさんのお魚くれちゃって。

食べきれなかったから近所の方々にお裾分けした、なんて言えない…。


でも、この町の人はみんな優しい。


きっと未来の人達だって本当は優しかったんだと思う。



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