浅葱色の約束。

「お、あったあった」


「わぁ浴衣。昔よくみんなで着てましたよね」


「懐かしいな。残しておいて正解だったよ」



目の前に差し出された浴衣。

それはあまり派手ではなく、男の人のもの。



「トシ、」



近藤さんは1枚の青色を差し出して、土方さんに何やら耳打ち。


お祭りに行くことになったのは藤堂さんと沖田さんと私で、藤堂さんは自前だという甚平を着て準備万端。

沖田さんは近藤さんから差し出された浴衣をさっそく着始めた。



「あれ？土方さん達どこに行くんだよ」


「こいつを着付けてくる」


「ならここでいーじゃん別に」



案の定止められて、土方さんは小さく舌打ちをした。


確かにここで着替えることは出来ない。

男だとバレてはいけないからこそ必死に理由を探すけど…確かに不自然すぎる。



「…こいつには見せられねえ傷があんだよ」


「え、そうなのか…？」



場の空気が静まり返ったところで、沖田さんは藤堂さんに帯を結んで欲しいと頼んで会話は終わりを告げた。

私の自室へと土方さんは入ると、浴衣を手にしながら袴を脱げと言う。