浅葱色の約束。
「着付けられねえだろ」
別に脱ぐのはそこまで抵抗はないけど、出来れば少し外を向いていてほしい。
お構い無しに土方さんは何やらサイズを計っているし、全然退こうとしない。
でも一応私だって女の子なのに…。
「女の裸なんざ慣れてる。それに俺ぁガキは論外だ」
肌が見られるのが恥ずかしいわけではなかった。
ただ、見られたくない傷というのは本当にある。
毎日殴られ屋と勝手に名付けられて暴力を受けていた身だ。
惨めなアザはまだ消えてはくれてない。
とてもタイミングが悪かったと思う。
「───お前…、」
すぐに土方さんは珍しい程に目を見開いた。
袴の中に着ている薄生地で出来た襦袢はノースリーブ状になっており、腕は露な状態。
丈も太腿までしかない為、腕や足についている青い痕を見つければ誰だってそんな反応をするわけで。
やっと頬だって治ってきたくらいなのだ。
「…こんなの…痛くもなんともないよ」
「ここで出来た傷にしちゃあ、ちと古いんじゃねえのか」
「ううん…ここに来る前」