浅葱色の約束。
どうしてこんなこと…。
今まで1度も言ったことが無かったのに。
誰を責めることも出来ないで、責めたくても責められなくて。
だからこそ小さい時は笑うしかなかった。
笑っていれば必ず幸せが訪れる、なんて言われたから。
でも今は笑うことすら出来なくなっちゃった。
同情は嬉しくないけれど、無いよりはマシだった。
「楽しんで来い」
土方さんは浴衣を着付けてくれると、それだけ言ってお金を少し渡してくれた。
「雨、降りそうだよ」
屯所の門に立って空を見上げ、雲に隠れた太陽を見つめた沖田さん。
湿気も強くなってきた。
確かに雨の匂いがする。
「嘘だろー。花火上がらないじゃん」
「まぁ行ってみよう。せっかく浴衣着たんだし」