浅葱色の約束。




履き慣れない下駄をカラカラと鳴らして、藤堂さんと沖田さんの間を引かれるように歩く。


深い青色をした浴衣は、どうやら沖田さんのお下がりらしい。

昔沖田さんが私くらいのときに着ていたものだと、土方さんは言っていた。

そして沖田さんが着ている深緑色は、土方さんからのもの。


そうやって誰かから誰かへと移り変わっていくことが少しだけ可笑しかった。



「機嫌いいね、梓。まだ城下町まで少しあるけど」


「総司、こいつの表情の変化わかるのか?」


「わかるよ」



お祭りの音がどんどん近付いてくる


太鼓が胸を跳ねる音、ヒュロロロロと笛の音。

同じように浴衣を着て屋台へと向かっていく町人達。



「……あ、」



そんなとき、沖田さんの掌にポツリと落ちた雫。


ザァァァァァ───。


一斉に降り出し、誰もがぎょっとさせた。



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