浅葱色の約束。
沖田side




「遅いですね」


「そのうち帰ってくんだろ。そんな待ち構える必要ねえよ」


「あなたがそれを言いますか」



門の前に立つ僕の隣で土方さんも、同じように腕を組みながら寄りかかっていた。


近藤さんが居ない分、彼の代わりを担おうとしているのか。

この人も中々の過保護で心配性だ。
それでも日は暮れ始めている。


初めてあの子を1人で出かけさせた。



「僕の友達は確かに賑やかですけど、少し訳アリな子たちが多いんです」



だから最初、首を縦に振るのを躊躇った。


たぶん予想だけど良い扱いはされないと思う。

類は友を呼ぶ、とでも言うのかな。

似た者同士が集まるからこそ、新顔には厳しいところがあるのだ。


それでも朔だけは別。
あの少年は少し普通とは違う。

それが一長一短で、良く出るか悪く出るか。


調理場から湯気が立ちくもり、腹を空かせた隊士たちは皆それぞれの時間を有意義に過ごしていたそんな時。



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