浅葱色の約束。
タタタタタタッ───!!
そんなとき、駆け足で跳ねてくる足音。
誰もがそこに現れるだろう子供を待っていた。
「た、助けて…!」
珍しく声を荒げ、はぁはぁと息を整えながらも助けを求める声は震えていて。
思わず平助も総司も、近藤さんも廊下へ身を乗り出した。
「梓…!」
総司は初めて梓が町のガキの元へ行った日、どこか何かを心配しているような顔をしていた。
毎日のように泥だらけで帰れば、いつも何を誰にされたか余すことなく聞いている。
そこは俺も多少は気になっていた。
「あの人に何をされたの!?」
肩で呼吸をする少女をガシッと掴み、あまり見ない形相で総司は梓の肩を揺らした。
そんな姿に誰もが首を傾げているが、そいつでさえも何を言われているのか理解をしていない。
両腕に隠すように抱きかかえられた1羽の雀を見つけると、全てを察したように総司はため息を吐いた。