浅葱色の約束。




「帰りに…見つけたの…、血が出てて、怪我してて、」



まだ息はある。
片足を鷹にでもつつかれたのだろう。

出血しているが、雀は今にも羽をバタつかせようとしていた。

それでも飛べない。



「───よし、これで数日間は様子を見てみましょう」



止血をしてやり、包帯を巻いてやる。

慣れた手つきで行うのは医療の知識もあり、それでいて新撰組の監察方として働く山崎 丞(やまざき すすむ)。

梓のことは前に教えていたが、梓は山崎を目にすることは初めてだった。



「梓、雀は大丈夫だそうだ。よかったなぁ」


「…うん」



こいつはいつも初めての人を目にすると、近藤さんの後ろに隠れる。

それは最初から似たようなことはあったが、子供は親だと判断するとその人に懐く。


そんなものと同じだろう。



「餌は女中に言っておくのでそれを与えてください」


「すまねえな山崎」


「いえ。でも…」



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