浅葱色の約束。
第二章
家族
チュンチュン、チュンチュン。
嬉しそうに餌をつついて、雀は膝の上に乗った。
足の包帯もとれて、いつでも羽ばたけるのにチュン助はそうしようとはしない。
「わっ、くすぐったいよチュン助」
きっと君もこの場所が好きになっちゃったんだね。
「私も好きだよこの場所。…チュン助も?」
「チュンチュン!」
名前をつけたのは私。
チュンチュンと鳴くからチュン助。
そんな単純な名前でも雀は嬉しそう。
「あ!チュン助それはつついちゃ駄目だよ…!」
青いビー玉がコロコロと転がって、畳の上に落ちた。
「このビー玉は拾った」と、沖田さんに言ったけれどあれは嘘。
本当はジャージのポケットに初めから入っていたもの。
これは、未来のもの。
昔から空にかざしてキラキラと輝く青色を見るのが好きだった。