浅葱色の約束。
「…でも今回はいつもとは少し違ったみたいだね」
私はたぶん、こうして頭を撫でられるのが好きだ。
偉いことをして褒めてもらえたような、そんな気持ちになるから。
「きっと土方さんも梓に感謝してるよ」
そう沖田さんは言っていたけど、それは逆効果であったことを知ったのは少し先のこと。
それから数日経ち、多恵さんが江戸へ戻って行ったあとのことだった。
「……!!」
「どうかしたんですか土方さん。随分と珍しい顔してますけど」
「…悪寒だ、悪寒」
確かに雷が落ちそうだ。
朝から晴れていた天気がどんより雲ってきているような気がするくらいの。
ドタドタドタドタ───!!!
「あんたどういうこと!?そんな話1度たりとも聞いてないよ!」
「……最悪だ。」
屯所に乗り込んできた1人の女性は、多恵さんとは違って中年程の女性。
鬼のような形相で鬼のような声を発しながら、断りもなくこの場所に上がり込めるのは1人しかいない。
そう、近藤さんは言っていた。