梓瀬君は時にオオカミになる。
「要件は何なの?」と聞く。

「あぁ要件ね。要件は……」

梓瀬君の言葉に私は耳を疑った。
「え?」

「だから一緒に下校するから。あと人待たせてるから行くよ」

「なんで!?その人と2人で帰ればいいじゃん!」

「は?何言ってんの?アンタ俺の彼女(フリ)なんだから着いてくるのが当たり前でしょ」

(はっ!そうだった…彼女(フリ)だったんだ……)

「分かりました……」

「それでいいんだよ」
フッと梓瀬君は鼻で笑ってくる。
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