梓瀬君は時にオオカミになる。

10分後……………
「よ！楓奈」
声をかけられて振り向くと3年ぶりの成長した諒汰が立っていた。
「わっ！諒汰！？背伸びたね！イケメンになってるし！」

諒汰は背が高くなって18.0cmくらいある
髪色も黒から染めて金髪になっていた。
そして左耳にはピアスが空いていて
でも雰囲気と人懐っこいところは変わっていなかった。

サブカル系イケメンと言ったものか。
見違えるほどイケメンに成長していた。

「やめろよ。そんなんじゃねーし。
お前は変わんないな。可愛いままだな」

そう諒汰は平然とそんな事を言うもんだから私は顔を真っ赤にする。

「っ！？」
「ははっそういう所も変わらないな」
「もう！からかわないでよ！昔からだけどね」

「楓奈」
「なーに？諒汰」
「おいで」
少し微笑んで諒汰は手を広げる。
いつも諒汰の優しさには勝てないよ……。

「っ…諒汰！！」
私は涙を浮かべながら諒汰の胸に飛び込む。
「私……諒汰が海外に行ってから寂しくて…っ！前向きになろうと思ったけど、諒汰がいないと楽しくないよ……」
諒汰は何も言わず優しく抱きしめてくれる。
「ごめんな。でもこれからはずっと一緒にいるからな」
「うん！」

「は？何してんの……？」
後ろから声が聞こえた。

私はすぐに誰かわかった。
「あ…梓瀬君……！？」