アテナ・イェーガー〜不穏、のちにキス〜
不穏と疑い
「アテナ〜!!アテナ〜!!」

その日の放課後、ロネは学校が終わるとすぐに森に飛び込んだ。今日はいつもより学校が早く終わったため、ロネはおやつを片手に森の中を歩く。

「ロネ……?ロネ!!」

珍しくアテナの大声が聞こえた刹那、ロネは飛び出してきたアテナに抱き締められていた。急に抱き付かれたため、ロネはよろけてしまいそのまま地面に倒れてしまう。

「ア、アテナ……」

ロネは未だに抱き付いて離れないアテナを見て、頰を赤くする。前にダンスを踊った時よりこの距離は近い。

「その……最近来てくれなくて……寂しかったぞ……」

顔を上げたアテナが頰を赤くしながら言う。アテナが素直に気持ちを話してくれたことが嬉しく、ロネも「俺も寂しかったよ」と微笑み、アテナの頭を優しく撫でた。

二人はしばらく見つめ合った後、優しく唇を重ねる。リップ音が小さく響いた。気が付けばロネとアテナは舌を絡め合っていて、二人の唇が離れると糸がプツンと切れた。
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