星は瞬き君に微笑む
笑顔を失った姫と声を失った姫
【智和】
「ん、…」
カーテンの隙間から漏れる木漏れ日で目が覚める。
「…あれ?」
私のいる部屋に誰もいない。
怖いっ。
誰かいないの!?
「いやっ!!!いやっ!!!」
頭を抱えて布団の上でうずくまる。
カタカタカタカタ
震え出す体。
怖い、怖いよぉっ。誰かっ…!
「う、わぁ…あぁっ。やぁっ…」
バンッ
睦『智和っ!!!』
凄い音をたてて誰かが来てくれた。
でも、あの男にしか見えない。
入ってきたのは男は私の腕を掴む。
ビクッ
「いやっ!!!離してっ!!!」
睦『智和俺だ!睦葉だ!』
ギュッ
抱き締められて、ようやく睦葉くんだと気づく。
なんで、こうなっちゃったのかなぁ。
「うぅっ。ふぇっ…」