星は瞬き君に微笑む

転入

【智和】

「ん、眩しい…」


あまりの眩しさに目を覚ます。


今は―



「7時半…」



今日は入学式なので、仕方なく起きる。



ガッシャーン パリーン



派手な音を立てて何かが割れた。



「はぁ。また春か。」



音の原因を知るため、リビングへと行く。



ガチャリ



『あ!和ねぇ!おはよ!』



ふわりとキレイに笑うこの子は私の双子の妹。



桜凪 智春ーさくらなぎ ともはー



「んで。今回はなに?」



春『朝ご飯作ろっかなーって!』



「私が作るよ。変わって。」



春『はぁーい。』



なんて、言いながらお茶をいれてくれたり、洗濯してくれたり。



ご飯できたよというとトコトコと来る張るに、かなわないなぁなんて思う。



春『もうすぐ6年だねー。』



おいしそー♪と言いながら座る春に、実は同じ事考えてたーなんて思う。



「入学式あるから、支度しなくちゃね。」



と、話をずらしてみる。



春『あ、話ずらした。時間ヤバイしいいけどねぇー。』



なんて、言われるとやっぱり双子なだけあるなって。



春とこれから通う高校は、親戚が理事長を勤めているらしい。



白ベースのピンクのセーラー服。



「はぁ。」



人とコミュニケーションを取るのが苦手な私は昔から、友達があまりいない。



それと変わって、春は元気で可愛いため、友達も多かった。



「8時…やばいかも。」



ここから、高校まで15分程度。



これ以上は、遅刻だからと、春を呼ぶ。



「春ー。行くよ。」



「『いってきまーす。』」



静かな家にそう言う私と春。



今まで良い関係を持ったことのない私は高校ではいい事あるといいななんて願ってしまう。




















【智春】

ガッシャーン パリーン


「あちゃー。また、やってしまったー!」



今朝は、珍しくはやく起きたから朝ごはん作ろっかなと思ったんだけど…



料理おんちみたいで、いろいろ倒してしまう。



ガチャリ




そう音を出して入ってきたのは、私の双子の姉の和ねぇ。



「あ!和ねぇ!おはよ!」




和『おはよ!じゃないよ。』



なんて、呆れる和ねぇにえへへと笑ってみせる。



結局ご飯は和ねぇが作ってくれて。




テレビ横の棚にあるカレンダーを見る。



今日の日付を見ると紫で“お母さんとお父さんと離れた日”とかかれている。



だから、わざと和ねぇに言ってみた。



「もうすぐ6年だねー。」



その話が嫌なのか和ねぇは話をずらした。



今日から、親戚の勤めている高校に入学式だから、いいけどねーなんて、言うけどほんとは忘れてるんじゃないかなとか心配になるんだよね。



和『春ー。行くよ。』



時計を見るともう8時。



家を出る前にお父さんとお母さんの写真にお祈りをする。



「お父さん。お母さん。元気ですか?私達は高校生になります。絶対探し出すから。それまで、お願い元気でいてね。」




さぁ、これからがやっと本番だ!





















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