星は瞬き君に微笑む

病院

【智和】




ガッシャーン





そんな音がした。





誰かが助けに来てくれた。






でも、もう遅かった。






恐怖と絶望に飲まれ、その場にぽつんと座っていることしか出来なかった。





バンッ





急にそんな音したかと思うと、入ってきたのは驚いた顔をする睦葉くん。






私の姿を見て顔を歪ませると




睦『ごめん。助けるの遅くなった。』





と肩に着ていたパーカーをかけ私のことを抱き締める。






その温もりにポロポロと止まる気配のない涙が溢れた。
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