後は堕ちて帰るだけ
夢に楽を求め行く



還りましょう



「本堂!!」

「えっ!?」

「俺だ」

「なんだぁ大河だったの?
驚かせないでよ」

「別に驚かした訳じゃあねぇよ」

タッタッタッタッ

「綾!!」

「早い二人共」

「ごめん」

紹介が遅れたね

あたし 本堂 瞳

そして幼なじみの

西川 大河

同じく

堀池 綾

みんな幼なじみ



けど…平穏は崩れ落ちる


そう悟った中一の冬…




「寒い〜」

「まぁ冬だし」

「にしてもこの寒さはナイ!!」

「実際にあるだろーが」

「うるさーい」

アッハハ

「にしても氷張ってるよ」

「今日気温何度くらい?」

「−入ってんじゃね」

パッパー

信号機

「赤だ〜」

「遅いよね此処の信号」

「だな」

待つ事二分半

「おっせー」

「まぁまぁ」

「にしても滑りそうだから気をつけろよ…」

「分かってるって!!」

「あっ!!」

スルン

ドサッ

「あっ綾!!!!」

キッキーキ

ドガン

「綾ぁぁぁぁぁ!!」



綾が引かれた…

嘘!!



そこで意識が遠のいた




ピッピッピッ



電子音?

此処は…どこ…

還りましょう

何処へ?

生命の源へと

駄目…

綾が待ってる


あたしが綾

ガバッ

「綾!?」

「良かった…瞳」

「綾は!?」

「綾ちゃんは病院に搬送されて…すぐ」

「嘘!!大河は」

「大河くんはずっと瞳の側にいたのよ」


大河…無事なんだね

綾……ごめん……

「瞳…倒れたのよ」

「……」

多分事故を目の前で見たからだろうな…

「でも…瞳じゃなくてよかったわ」

なんで…

「じゃあ綾だったら良いの!?」

「違う」

「少し眠いから…寝る」

「お休みなさい…瞳」


そこで意識を手放した

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