黒土。
葉月ようが唐突にいった。

「今度の夏祭り楽しみだね」

「夏祭り?」とリンネ。

「龍門山夏祭りだよ」と葉月よう。


リンネはふと遠い目をした。木漏れ日に梅雨の晴れ間の太陽が煌めく。

それは静けさだった。
蝉が鳴く。

「そういえば、ゲームとかどうする?」
「橘くん家で」くすくすと微笑みながら、葉月ようが答える。

リンネがおずおずと参加の意思表示をする。
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