わたしのヒカリ
インタビュー会場へ着くと、個室へ通され打ち合わせが始まった。
初めてのインタビューは、独占インタビューだ。
人と話すのが苦手なわたしには、とても緊張した。
「ゆきのさん、よろしくお願いします!!」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「では、早速質問よろしいですか?」
「あっはい!」
思ったより大きな声がでて、自分でもびっくりした。
「ふふふ。緊張してますか?」
「すみません…。緊張してしまって…」
「大丈夫ですよ!!リラックスしてください!!では、始めさせていただきますね?」
「はい!!!」
カメラが回った。
私は一度深呼吸をし、心を落ち着かせた。
「デビュー曲はゆきのさんが作詞されたとお伺いしましたけど、どんなイメージで作られたんですか?」
「イメージというか…私の経験なんです」
「経験?」
「はい。この歌の中に私のあの頃の思い出が詰まっているんです。」
「そうなんですね。誰かを想って作られた曲なんですか?」
「そうですね。わたしにとって恩人であり、とても大切な人です。」
「そうなんですね!!その方もきっと喜んでくれてるでしょうね!」
「だといいんですけどね。。。」
私の目が一粒の涙が流れた
「ゆきのさん…?」
「あっごめんなさい。」
急いで涙を拭った。
「その人、もうこの世にはいないんです。だから、どこかで見ていてくれたら嬉しいですね。」
「そうでしたか。。。でもきっと、1番近くで見ていてくれてると思いますよ!!」
わたしは微笑んだ。
それから、少ししてインタビューは終わった。
わたしは、ビルの屋上にでて空を見上げた。
そして、あの頃のことを想い出していた。