17歳、昼下がりの散歩道
プロローグ
一瞬、時が止まったかのように思えた。
艶のある綺麗な長い黒髪、透けるように白い肌、桜色の唇、細長い手足……そして彼女を包むのは純白のワンピース。
舞い散る桜は彼女を一層美しく飾り立てる。
そんな彼女の姿を、絶望的に美しいと思ってしまった。
どこかで不安と焦燥をちらつかせる、散りゆく桜。
あわよくば、この瞬間が永遠に続いて欲しかった。
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