17歳、昼下がりの散歩道
「平津さんも、そろそろ新人の指導に入ってもらった方がいいと思ってね。運転は、長沼さんにしてもらって.……。」
上司がそう言ってくるので、将来性に期待されているとわかってしまう。
その期待を裏切りたくはない。
「かしこまりました。」
そうは言ったものの、案件の詳細をまだ聞いていないことに気づいた。
俺がそれに気づいたと同時に、上司がまた口を開く。
「遺体の引き取りに病院に行くところから。ちょっと重い案件になるけど、長沼さんにも経験しておいて欲しいから。平津さん、サポートをお願い。」
「かしこまりました。」
”ちょっと重い案件”という言葉を聞いた長沼さんの顔が、少し不安げに曇っているのがわかった。
「長沼さん、よろしくお願いします。できる限り、サポートします。」
「あっ、こちらこそ、よろしくお願いします。」
少しばかり、きつい仕事になりそうだ。