17歳、昼下がりの散歩道
長沼さんの運転で、俺達はまず、病院に向かう。
病院なら、遺体の処置は看護師がやってくれて、そのまま霊安室に一時的に安置される。
でも今日の仕事は、イレギュラー中のイレギュラーだ。
何せ、亡くなったのは、14歳の女子中学生。
しかも、飛び降り自殺。
俺はいいとして、長沼さんのメンタルが心配だ。
この仕事をしていれば、どこかで今回のような案件に当たることが当然あるが、まだ新人の長沼さんは、今回初めてこのような経験を踏むのだ。
これでメンタルがやられて、辞めていく人なんてざらにいる。
「長沼さん、流れは通常の葬儀と変わりないので、あまり心配せずにいてくださいね。」
せめてもの気遣いの言葉を彼に送ると、「はい……。」という弱々しい返事が返ってきた。
しんどいだろうけど、これを乗り越えないとこの仕事はできない。