大切で忘れられない恋ってありますか?
卒業式前日。
俺はあみの家にいった。

「あのさ、もう卒業式だし、高校も別になっちゃうから、言っときたいことがあるんだ。
困らせたいわけじゃなくて、ただ俺が勝手に言いたいだけだから。
ちょっとまって。あと10秒まって。やっぱ30秒。」

「ふははっ。
暇だし5分くらいまでなら待ってあげる。」

笑顔めっちゃかわいい。優しい。
やっぱ大人なんだよな。かっこいい。

「れんとあみが付き合ってるのは知ってる。
から、聞いてくれるだけでいい。
ずっと好きだった。お前のことが。
でも、答えは分かってるから、大丈夫。
聞いてくれてほんとありがとう。
明日の卒業式楽しみだね。」

俺かっこわる。
もっとスパッと言う予定だったのに。
ほんとかっこわる。

「ありがとう。
でも、ごめんね。」

「ううん。大丈夫。」

「でも、めちゃくちゃ嬉しかった。私告られたのはじめて!すっごい嬉しいね。」

「それならよかった。じゃあ、またあしたね。」

「うん!」

死ぬほど緊張した。
嬉しいって思ってくれてよかった。
はじめてだったのか。嬉しい。
あみが告ってれんとつきあったんだもんな。
これで終わりか。明日の卒業式俺大丈夫かな。
辛いなあ。期待なんてほんとに1ミリもしてなかったんだけどな。
ああ、まだきっと好きだな。
きっとこの先も忘れられないな。

あみ、辛かったけど、出会えよかった。
ありがとう。


これが俺の初恋。
実らなかったけど、伝えられて、よかったって今も思う。
いつまでも思い出すけどそれは後悔があるからじゃない。
逆だ。
辛い恋が俺にとって大切な恋に変わったから思い出せる。
前に進めたから。
もっと好きで大切にしたいって気持ちがあることを知れたから。
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