世界一易しい復讐劇



ヘレンとジュリアが眠りにつくのを心待ちにしていた者がいた。



―――「髪を切れば、失望して自殺するはず。孤児のくせに結婚だなんて、生意気ね。身の程を知ればいいわ。」



ヘレンとジュリアの部屋に入り、ベッドに近づくも、2人の顔がそっくりすぎて見分けがつかなかった。



―――「ちっ!仕方がない。毒を盛るか...」



そこで名前が書いてあったコップに毒を塗った。
ふと写真たてを見ると、



~ヘレン18歳の誕生日!! ジュリアは14歳!!~




―――「右がヘレン?よく見ると、髪の毛が少し違う...?」


再び、ベッドに近づき、



―――「奥がヘレンか...」



ザクっと髪の毛を切り落とすと、満足げに微笑み、



―――「これでもう2度と私の前に現れることはないわね。すっきりしたわ。」



そう言い残すと立ち去って行った。







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