世界一易しい復讐劇

「ヘレン…。僕は小さいころに両親を亡くしていてね…。
　君のことは、多少なりとも気持ちがわかるつもりだ。」

「まあ。シャルル。私は亡くしたんじゃないの。“捨てられた”のよ？」



シャルルは幼少期に両親を亡くしたため、大人がすることをすべてこなしてきた。
そのためか、話し上手で、シャルルと話をすることで少しずつ、ヘレンの瞳に光が戻っていった。



「ヘレンはとてもキレイな髪をしているね。手入れがしっかりと行き届いている。」


「ありがとう。シャルル。あなたの髪も人のこと言えないくらいステキよ？」


「そうかな？君には適わないよ」


あはは・・・と2人の会話は笑いが絶えなかった。ヘレンもそんなシャルルに惹かれていった。しかし、幸せなひとときがあるのは一瞬で、いじめがなくなったわけではなく続いていた。



「ヘレン、最近はどう？嫌なことされてない？」


ヘレンを心配してシャルルが聞くも、ヘレンの答えは変わらなかった。




「心配しなくて大丈夫よ、シャルル」