世界一易しい復讐劇

シャルルが19歳、ヘレンが18歳になった年、シャルルはシスターにとある相談をした。


「シスター、お話があります。」


「はい、なんでしょう?シャルル様」


「ヘレンを...ヘレンと結婚してもいいですか?」


「ヘレンには両親がいません。なのでいいのですが...
 これ以上子供たちを殺したくないんです。ヘレンには...もう伝えてありますか?」


「いいえ、これからです。」


「そうですか...。これだけは約束してください。貴族の娘のいるところでのプロポーズはやめてください。お願いします。」


「わかりました。」





ヘレンが17歳の時にシャルルと出会い、早一年が過ぎようとしていたあたたかな春の日のことだった。


シャルルはヘレンに結婚を申し込むことに神経を使った。これ以上ヘレンを傷つけたくなかった。










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