もう誰かを愛せはしない
「うん。メイサと神崎くんってお似合いだなって思って」

「は!?」



美佳の言葉に隣りにいた礼羽は、少し冷ややかな目で美佳を見下ろした。




「誰?この女」

「美佳だよ。私がよく一緒にいるでしょ?」

「知らねー。俺、メイサしか見てねぇもん」



礼羽の言葉に赤くなる私と美佳。




礼羽は酷いよ。


そんな事言われると、もしかして礼羽も私の事…って期待しちゃうじゃない。



後から傷つくのは私なのに…。


バカ。




「それよりメイサ、今日どうすんだよ」



ボッとしていると礼羽に頭を小突かれた。




「本当に私とでいいの?誕生日だよ?」

「俺がいいって言ってんだからいいんだよ」

「じゃあバイト代も入ったし、奢ってあげるよ」




その後いつものように授業を受け、終礼が鳴ると同時に下駄箱へと向かった。
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