もう誰かを愛せはしない
お互い初めてだから

ゴムの付け方で戸惑ったり

妊娠しないかなって心配し合ったりしてたけど




私が痛みに顔をしかめる度

「大丈夫?やめる?」

って心配してくれる礼羽が




自分が発する声が恥ずかしくて声を堪える度

「メイサ、可愛い」

って微笑んでくれる礼羽が



泣きたくなる程、愛しかった。






「メイサ、体大丈夫?」

「…うん。初めてがライハでよかった」



事が終わり、ぐったりしている私を抱きしめながら髪を撫でてくれる礼羽。



礼羽の胸に顔をうずめると、いつもの香水の匂いと煙草の匂い

そして少し汗の匂いがした。


大好きな礼羽の匂い。





その香りに包まれていると安心して、段々と眠気に襲われた。



「…メイサ、俺の“初めて”をもう1つやるよ」

「…ん。な…に?」




眠気で意識が朦朧とする中、微かに耳に届いた礼羽の声…
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