もう誰かを愛せはしない
一枚の隠された手紙は
病に侵された1人の女の子が
愛した人に綴ったラブレター。
その手紙が長い時を経てやっと
受け取り主の元に届いた。
礼羽を見ると、礼羽は涙を流しながら声を堪えて泣いている。
堪えた声が漏れると、礼羽は口元を手で押さえた。
「あのね、ライハ。おじいちゃんからの伝言もあるの」
手紙を握り締めて震える礼羽の背中をさすりながら、おじいちゃんからの伝言を口にした。
『この手紙は、ユウキのお母さんから受け取ったものだ。
今までその手紙をお前に渡さなかったのは、ユウキ程愛する人がお前にいなかったからだよ。
だから今になった。
ワシは悪いことをしてしまったな』
渡すタイミングなんて何度もあったのに
おじいちゃんが今まで渡せなかった気持ちがわかる気がした。
喪失感に襲われている礼羽にこの手紙を渡しても、ユウキさんの想いは伝わらない。
だから今になったんだよね。
おじいちゃん…。
「…何で今なんだよ…」
「今だから受け入れられるんじゃないの?…私は、おじいちゃんの気持ちわかるよ…」
礼羽は手紙を手から落とすと、地面にひざまずき嗚咽した。
晴れ渡った空に響く礼羽の声。
ユウキさん
ユウキさん…
聞こえてる?礼羽の声。
あなたの為に
流す涙を見ててあげて
嗚咽を聞いててあげて
そして
ごめんなさい。
あなたを恨んで憎んでいた私を
どうか許して下さい…。
病に侵された1人の女の子が
愛した人に綴ったラブレター。
その手紙が長い時を経てやっと
受け取り主の元に届いた。
礼羽を見ると、礼羽は涙を流しながら声を堪えて泣いている。
堪えた声が漏れると、礼羽は口元を手で押さえた。
「あのね、ライハ。おじいちゃんからの伝言もあるの」
手紙を握り締めて震える礼羽の背中をさすりながら、おじいちゃんからの伝言を口にした。
『この手紙は、ユウキのお母さんから受け取ったものだ。
今までその手紙をお前に渡さなかったのは、ユウキ程愛する人がお前にいなかったからだよ。
だから今になった。
ワシは悪いことをしてしまったな』
渡すタイミングなんて何度もあったのに
おじいちゃんが今まで渡せなかった気持ちがわかる気がした。
喪失感に襲われている礼羽にこの手紙を渡しても、ユウキさんの想いは伝わらない。
だから今になったんだよね。
おじいちゃん…。
「…何で今なんだよ…」
「今だから受け入れられるんじゃないの?…私は、おじいちゃんの気持ちわかるよ…」
礼羽は手紙を手から落とすと、地面にひざまずき嗚咽した。
晴れ渡った空に響く礼羽の声。
ユウキさん
ユウキさん…
聞こえてる?礼羽の声。
あなたの為に
流す涙を見ててあげて
嗚咽を聞いててあげて
そして
ごめんなさい。
あなたを恨んで憎んでいた私を
どうか許して下さい…。