もう誰かを愛せはしない
泣いている私達の病室にいる医師は、おじいちゃんのことを話し始めた。
おじいちゃんの死因は心臓発作だということ。
発見者の話によると、家の前の桜の木の下で倒れていたということ。
そして…
小さい頃の礼羽の写真を握り締めていたこと。
“礼羽、1人で自転車乗れるようになったんだな”
“礼羽、一緒にスイカ食べるか”
“礼羽、おかえり”
礼羽にとっておじいちゃんは父親みたいな存在だと、前に礼羽は言っていた。
3回しか会ったことのない私でさえ、おじいちゃんの死がこんなに悲しいんだもの…。
礼羽の悲しみは計り知れないよね。
ふと、おじいちゃんの顔を見つめるとあることに気がついた。
「…ライハ、おじいちゃんの顔見て」
「嫌だ!笑ってないじぃちゃんなんか見たくねぇ!!」
首を振って俯く礼羽の頬を掴んで目線を合わさせた。
礼羽の目は礼羽とは思えないくらい腫れていて、目の前にいる礼羽が知らない人に見える。
「…ちゃんと見て。おじいちゃんは笑ってるよ」
ベッドに眠るおじいちゃんは微笑んでいる。
死んだ人の表情なのかと思う程、穏やかな顔をしていた。
「ライハにユウキさんの手紙を渡せて満足したんだね。今まで黙ってて辛かったんだよ、きっと。
…だから疲れて眠ってるだけよ」
「…っ!!!!」
礼羽は強く私を抱きしめると、泣いた。
おじいちゃんの死因は心臓発作だということ。
発見者の話によると、家の前の桜の木の下で倒れていたということ。
そして…
小さい頃の礼羽の写真を握り締めていたこと。
“礼羽、1人で自転車乗れるようになったんだな”
“礼羽、一緒にスイカ食べるか”
“礼羽、おかえり”
礼羽にとっておじいちゃんは父親みたいな存在だと、前に礼羽は言っていた。
3回しか会ったことのない私でさえ、おじいちゃんの死がこんなに悲しいんだもの…。
礼羽の悲しみは計り知れないよね。
ふと、おじいちゃんの顔を見つめるとあることに気がついた。
「…ライハ、おじいちゃんの顔見て」
「嫌だ!笑ってないじぃちゃんなんか見たくねぇ!!」
首を振って俯く礼羽の頬を掴んで目線を合わさせた。
礼羽の目は礼羽とは思えないくらい腫れていて、目の前にいる礼羽が知らない人に見える。
「…ちゃんと見て。おじいちゃんは笑ってるよ」
ベッドに眠るおじいちゃんは微笑んでいる。
死んだ人の表情なのかと思う程、穏やかな顔をしていた。
「ライハにユウキさんの手紙を渡せて満足したんだね。今まで黙ってて辛かったんだよ、きっと。
…だから疲れて眠ってるだけよ」
「…っ!!!!」
礼羽は強く私を抱きしめると、泣いた。