もう誰かを愛せはしない
「“ただいま”だろ。メイサ、ただいまって言って?」




…うん、そうね。



出て行ってごめんなさいでも

またこれから宜しくでもないよね。





「…ただいま。ただいま、ライハ」




私達は
ずっと繋がっていた。




ただ、今

迷子になっていた愛が

再び戻ってきただけ。






だから…





礼羽が首からネックレスのチェーンを外し

2つのリングの1つを私の薬指にハメて



「俺はもう、メイサ以外愛せはしない」


と、八重歯を見せて笑う。






そんな事を想像していた私だけど





私が礼羽から

“結婚したい人にあげる指輪”をもらえるのは


もう少し後の話。





でも私はいつまでも

あなたの隣りでその日を待ってるよ。


だって…





「おかえり、メイサ」






私達はまだ

ここから始まったばかり。

















【もう誰かを愛せはしない・END】
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