もう誰かを愛せはしない
「で?夏休みどうすんだよ」

「どうするって何が?」



礼羽の顔をジッと見つめると、礼羽は少し赤くなって髪を掻きむしった。




「遊んでやるって言ってんだよ!鈍いヤツだなっ!!」



礼羽は立ち上がるとズカズカと足を鳴らしながら屋上から出て行ってしまった。



ふふっ…。

素直じゃないのは礼羽もおんなじなんだね。




今年の夏休みは寂しくないんだ。


そう思ったら何だかくすぐったくて嬉しくて私は屋上で1人、笑っていた。








高校3年生の夏休みは、礼羽と毎日のように遊んでいたら、あっという間に終わってしまった。



もちろん、特に何の進展もなく…
< 20 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop