もう誰かを愛せはしない
そんなんで何の進展もない同じような毎日を過ごしていた私達は、卒業式を迎えてしまった。



「メイサ、神崎くんに告白しなくていいの?」



式典が終わって、生徒達が賑わう声が響く屋上に美佳と2人で黄昏ていた。



礼羽は後輩達と写真を撮っているのか何をしているのか、何処にもいない。




「…告白、しなきゃだよね。後悔はしちゃダメだよね」



頭ではわかっているのに、行動には移せない。



当たり前に会える明日がなくなる今日、想いを伝えるべきだ。




でも告白してフラれて、本当にもう会えなくなるんだって実感するのが恐い。




「まぁ学部は違くても大学は一緒なんだから、今日言わなくても大丈夫だとは思うけどさ」



美佳は優しく頭を撫でてくれた。




礼羽とは同じ大学に合格したけど

高校生のようにずっとは一緒にいられなくなるのだろう。




それぞれ新しい友達が出来て
それぞれの将来が出来て




一緒にいるのが当たり前だった関係は

いつか一緒にいなくても当たり前に変わる。





やっぱり今、想いを伝えるべきだよね。




そうは思うけど動かない体に力を込めていると

私と美佳しかいない屋上に、礼羽がやって来た。
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