もう誰かを愛せはしない
あとトースターが欲しいな。

自動でチンって言わなくなっちゃったから、いつもパン丸焦げなんだよね。



てか、ソファ欲しい!



…と、欲しい物を言い出したらキリがなく。






部屋にある家電製品は大体が礼羽の実家から運んできたもの。


礼羽のお母さんがタイミング良く一斉に買い直した為、お古を譲り受けたのだ。


その為、故障してるものが多い。



使えるにこした事はないんだけどね。




「メイサ、俺支度終わったぞ」

「え?もう!?私、まだ何もしてないや」



余計な事を考えてたら、もうすぐいつも家を出ている時間になるところだった。



エプロンを外して急いで顔を洗い、簡単にメイクをして着替えた。




「早く行くぞ。電車乗り遅れちまう」



私と礼羽は靴を履くと、手を繋いで駅へと駆けていった。



何とか時間に間に合って、電車に揺られながら息を整える。



「今日私、バイトラストまでだからご飯自分で作って食べてね?」

「ラストまでってことは23時までか。夜遅いから気をつけて帰ってこいよ」

「はーい」



私は高校生の時から働いているファミレスで今もバイトをしている。




本当はアパートの近くで働くべきなんだろうけど


新しいバイト先が決まるまでに時間が掛かると、生活が出来なくなるから無理なワケで仕方なく続けてる。
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