もう誰かを愛せはしない
礼羽の表情を気にしながら私もハンバーグを口に運んだ。



「……………」



私と礼羽は何とも言えない顔を見合わせると、急いでご飯をかき込む。




「不味いっ!何これ!!」



ポソポソしてるくせに中はグチャグチャ。


ハンバーグでも何でもないこの肉の塊。




「…やっぱり、牛肉で作らなきゃダメだね」



礼羽はコクンと頷くと再びハンバーグを口に運んだ。




「無理しなくていいよ?お腹壊しちゃうかもしれないし」

「食えるから平気」



礼羽はそう言うと、私が残した分まで食べ尽くしてくれた。



無理…しなくていいのに…。




「ごちそうさん。……って、何で泣いてんだよ!?」



手を合わせてごちそうさまをした礼羽が目を見開くから頬を触ると、私は涙を流していた。
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