もう誰かを愛せはしない
「はじめまして。高柳メイサです。ライハさんと同棲させて頂いてます。いつも美味しいお米ありがとうございます」



礼羽の恥にならないようにしっかり挨拶すると、おじいちゃんは優しく微笑んでくれた。




「そう緊張なさんな。それより礼羽、こちらの娘さんはお前の何だ?」


「彼女だよ」


「ほぅ。…やっとユウキの事は吹っ切れたのか。それはよかった、よかった」




ユウキ?




「ライハ、ユウキって?」

「…あぁ。幼なじみの元カノのことだよ」



元カノ…。


礼羽には付き合ってた人がいたんだね。

そりゃ当たり前か。




礼羽の元カノの存在が引っ掛かりながらも、おじいちゃんの家にお邪魔し、おじいちゃんと話をしながら和やかな時間を満喫した。




気付くと外はすっかり真っ暗で、電線や建物に邪魔をされる事のない空に満天の星が広がっていた。




「うわぁ…。降ってきそうな程、星があるね」

「あぁ、凄いだろ」



虫や蛙がけたたましく鳴いている庭に出ると、礼羽と共に空を見上げた。




星なんて何処にでも存在するのに

ここから見る星はいつも見ている星と違うものに見える。
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