もう誰かを愛せはしない
「噂をすれば神崎くんよ」
美佳が指差す方を見ると、キャンパスの中を歩いている礼羽がいた。
あれ…。
何か痩せた?
凄くやつれてるように見えるけど。
「神崎くん、何だか疲れた顔してるね」
「…うん」
……もしかして
いや、もしかしなくても
2人のバイト代を合わせてギリギリの生活だったんだから
1人になった今、礼羽は生活という生活が出来ていないんじゃ…
「…美佳、私講義サボる。代返しといて」
「え?どこ行くのよ!?」
美佳の質問に答える前に、私は走ってキャンパスから出て行った。
私はまだ礼羽の彼女だもん。
そばにいられなくても、出来る事はしたい。
そんな事を思いながら、私は礼羽のアパートに着いた。
あ…
合鍵返しちゃったんだった。
どうしよう…
中に入れないじゃん。
そう思いながら一応ドアノブに手を掛けると、鍵は掛かっていなかった。
不用心だな、礼羽は。
「…お邪魔しまーす」
無意識に口から出た言葉が、もうここは自分の家じゃないのだと教える。
1ヶ月ぶりに入る部屋は、こんなに広かったっけと思う程、殺風景だった。
美佳が指差す方を見ると、キャンパスの中を歩いている礼羽がいた。
あれ…。
何か痩せた?
凄くやつれてるように見えるけど。
「神崎くん、何だか疲れた顔してるね」
「…うん」
……もしかして
いや、もしかしなくても
2人のバイト代を合わせてギリギリの生活だったんだから
1人になった今、礼羽は生活という生活が出来ていないんじゃ…
「…美佳、私講義サボる。代返しといて」
「え?どこ行くのよ!?」
美佳の質問に答える前に、私は走ってキャンパスから出て行った。
私はまだ礼羽の彼女だもん。
そばにいられなくても、出来る事はしたい。
そんな事を思いながら、私は礼羽のアパートに着いた。
あ…
合鍵返しちゃったんだった。
どうしよう…
中に入れないじゃん。
そう思いながら一応ドアノブに手を掛けると、鍵は掛かっていなかった。
不用心だな、礼羽は。
「…お邪魔しまーす」
無意識に口から出た言葉が、もうここは自分の家じゃないのだと教える。
1ヶ月ぶりに入る部屋は、こんなに広かったっけと思う程、殺風景だった。