もう誰かを愛せはしない
礼羽の話をしながら美佳と廊下を歩いていると、いきなりYシャツの襟を後ろから引っ張られた。


その反動で後ろによろける。




「今、俺の話してたろ」

「ライハ!?ビックリするからやめてよ!」



よろけた私を包み込むように後ろから抱きしめる礼羽。


礼羽は私の肩に顎を乗せると、頬擦りをし始めた。




「ちょっと…やめてよ!」

「メイサの頬はプクプクしてるから気持ちいい」

「どうせ私は太ってますよ!とにかく離せ、変態!!ファンデが落ちる!」



礼羽を押し退け制服の襟を直す。




そんな間近に顔があったら心臓が保たないよ。




私が赤くなっていると、隣りで美佳がニヤニヤしていた。



「美佳?何、その顔」



何だか恥ずかしくて美佳を少し睨むと、美佳はニッコリと笑って話し始めた。
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